熱狂ゴルファーの皆さま、こんにちは。
PRGRで販促を担当しております、Nです。
ゴルフメーカーPRGRが誇る、科学的なスイング解析とレッスンを融合させたゴルフ上達メソッド『サイエンス・フィット』に通って、楽しく、真剣にレベルアップを目指すゴルファーの姿を追い続ける”ほぼ”リアルドキュメントブログ、新サイエンスフィット日記。
PRGRの歴史、クラブ開発の現場を紹介するノンフィクション、PRGRクラブ開発物語・ギアスト!とのセルフコラボ企画、PRGR歴代No1クラブ決定戦。
2代目ミスター・テストマンのK君が、各世代の代表クラブを試打した上で、完全なる独断で歴代No1を決めております。
ちなみにユーティリティ編では、最新のRS5と1997年発売のZOOMⅰ(1997年)を選出。
※個人の感想です
軟鉄鍛造アイアン編では自身が愛用するTUNE01 CBアイアン(2017年)を選出。
※個人の感想です
フェアウェイウッド編では最新のRS5と圧倒的な結果を叩き出したDUO HIT(2004年)を選出しました。
※個人の評価と感想です
最新モデルで圧倒的な性能を出せない様子にいよいよ社内がざわついてきましたので、歴代ナンバー1決定戦企画は今回で完結となります。そして当企画のトリを飾るのは多くのゴルファーの夢と浪漫を背負うクラブ、ドライバーの歴代ナンバー1を選出してもらいます。
PRGR38年の歴史から選出された5本のドライバーを手にするK君。
『ヘッドサイズが全然違いますね。でもやっぱりこの中だと最新のRS5が一番かっこいいなあ。』
『そんなのいいから、ちゃんと計測データで最新モデルの性能を証明してくれや。』
K君にさらなるプレッシャーがかかるなか、過去の栄光と現在の売上げの両方を背負うミスター・テストマンK君の戦いが始まります。
歴代ドライバーNo1決定戦
ちなみに計測ルールは以下の通りです。
- 進化の過程を確認するため発売が古いモデルから試打する
- 各モデルずつ2球ショット
- 打ち直し無しのリアルガチ勝負
- データ計測による飛距離、方向性等を確認したうえで、最後はテスターの独断でNo1モデルを決定
インドア王子、無風のカリスマ、鳥カゴの中の鷹、ミスター・テストマンK君の手にかかれば、何球か打てばそれなりにクラブの特性に合わせて球筋が安定してしまいますのでショットは2球のみとします。そして、結果はさておき最終的にNo1を決めるのはK君の気持ち次第という、完全定性評価方式でナンバー1クラブを選出します。
エントリークラブを並べてみるとヘッドの大きさがまるで違いますね。
左から1986年発売のμ240、1996年発売のREVERSE type252(銀チタン)、2003年発売のTR‐X 370DUO、2014年発売のiD nabla RS01、そして2020年発売のRS5です。基本的にスペックはシャフト硬さM43(S)、ロフト10.5度相当で揃えております。
エントリー№1 ’80代表 μ240(10.5°/44″)
さあ、まず最初に登場したのは、80年代代表のμ240(ミュー・ニーヨンマル/1986年)です。横浜ゴムのタイヤ生産技術、航空宇宙技術を注ぎ込んだカーボンヘッドに、当時としては長尺のカーボンシャフトを装着した、PRGRが初めてヒットを飛ばしたドライバーです。
ちなみにこのドライバーの開発秘話は、PRGRの歴史やクラブ開発を紹介するノンフィクション【PRGRクラブ開発物語 ギアスト!】で紹介しております。涙無しでは語れない逸話をお笑いタッチで紹介しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
『へー、昔はカーボンヘッドだったんですね。変わった形。ヘッドも小さいなあ。』
先人達が苦心に苦心を重ねて大型化したヘッドを”小さい”と一刀両断するK君。ヘッド体積はおよそ200ccで現在のドライバーの半分以下の大きさなのでそりゃそうです。ちなみに空気抵抗を減少させるために開発したクラウン部の凹み(クレーター)は手作業で削っていました。
では、打ってもらいましょう。
あれ?
どうやら現代のドライバーのティーの高さだと全然合わないようで、ティーの高さを変更するK君。
それではあらためて。
打球音を確認いただくために音声付動画でお届けします。
ボスン!!
カーボンヘッドならではの深みのある重い打球音。
結果は、
左!!
残念ながら飛距離は214ヤード。そしてボールは左へ巻き込む下品な弾道となりました。
『シャフトが硬いです。そしてヘッドが小さくて難しい~。』
このクラブだけシャフトがM40(SR)しか用意できなかったのですが、それでも硬かったようです。当時としては画期的な大型ヘッド、長尺シャフトでしたが、現代に蘇るとヘッドが小さく難しいクラブになっていました。35年の間にドライバーはそれだけ劇的な進化を遂げてきたということでしょう。
エントリー№2 ’90代表 REVERSE Titanium type252(10.5°/44″)
続きまして90年代を代表するのは、REVERSE Titanium type252(リバース・チタニウム・タイプ・ニーゴーニ/1996年)です。”銀チタン”の愛称で呼ばれ、プロ、競技ゴルファー向けの”黒チタン”。シニア、飛距離志向の”赤チタン”とともに多くのゴルファーに愛されたチタンヘッドドライバーです。
重心点でのショットと低重心化を狙うため、従来のドライバーヘッドの上下を逆転させるという【リバース設計】が特長的なクラブ。ここらへんもギアスト!で紹介していますので、ぜひご覧くださいませ。
『おもしろい形してますね。クジラみたい。これもヘッドが小さいなあ。。。』
不安そうな表情でヘッドを眺めるK君。当時の開発スタッフが悩みに悩んで生み出したヘッドですが、当時小学生だったK君にそんな苦労は伝わりません。
では打ってみましょう。
(音声付動画でお届けします)
パキャン!
軽快なチタンヘッドの音色を響かせて、
おお!飛距離253ヤード!!
リバース形状ヘッドが見事に低スピン化を実現しています。
『予想以上の結果です。打感も気持ちいいですね。』
K君も驚きの表情を見せていますが、当時のゴルファーはこの10倍くらい驚いていたはずです。
エントリー№3 ’00代表 TR-X 370 DUO(10.5°/44.75″)
では21世紀に入りまして2000年代の代表は、カーボンとチタンの複合構造ドライバーTR-X 370 DUO(ティー・アール・エックス・サンナナマル・デュオ/2003年)です。
航空宇宙分野で使用されていたカーボン(CFRP)を高反発フェースを採用したチタンボディと合体させた画期的な構造。さらに本格ゴルファーに認められる形状、打球音、シャフトにもこだわった、PRGR史上最大の販売本数を誇るドライバーです。(会社のピンチを救ったDUO開発秘話もギアスト!で紹介しております)
『へー、これがDUOですか。クラウンがカーボンっていうのがぱっと見ではわかりませんね。』
画期的構造と正統的フォルムの融合を図ったDUOはクラウン部のカーボン模様をいかに見えないようにするか苦慮しました。現在の流行とは逆ですね。
と、ここで。
ティーの高さを変更。このTR-X DUOのヘッド体積は370cc、ヘッドサイズも徐々に大型化しております。
では行きましょう。
(音声付動画でお届けします)
ブキン!
カーボンコンポジットの爽やかな和音を響かせ、
その結果は、
飛距離257.5ヤード!
高打ち出し低スピンのDUO弾道がしっかり表れました。球筋もドローで安定しています。
『これはいい弾道ですね!でもまだヘッドが小さくて違和感があります。』
さっきからヘッドの大きさしかコメントが出てこないミスター・テストマン。だがK君がPRGRに入社した時にはヘッドサイズはすでにルール上限の460cc時代でしたので、それくらい違和感があるということでしょう。
エントリー№4 ’10代表 iD nabla RS01(10.5°/45.25″)
続いては2010年代の代表、2014年発売のiD nabla RS01(アイディー・ナブラ・アールエス・ゼロイチ)です。
リアルスポーツ(RS)の冠を掲げた初代モデル。PRGR初のカートリッジ機構採用モデルであり、その攻撃的な飛距離性能で、あの月刊ゴルフダイジェストの飛距離No1を決める人気企画、D-1グランプリでも優勝している実績十分のクラブです。
『これは飛びましたよね!ちなみにRS01は低スピンで左に行きずらく当時の僕には手強すぎて無理だったので、RS02を使っていました。』
攻撃的なnabla RSのカートリッジ機構(Bacosy)はロフトを1度寝かせることができます。※現在のRS5はこれとは逆でロフトが1度立ちます
そして、
ようやく450ccの現代サイズとなりましたので、ティーを通常の高さに戻します。
では行ってみましょう!
(音声付動画でお届けします)
バキン!
強さを感じさせる打球音。その結果は、
261ヤード!最長不倒を記録!!
『引っかかりにくいし、いい球!ようやく僕もこのクラブを使えるようになりました。』
歴代クラブによって自分の成長を実感するK君。おめでとう!テストマンとしての最低限のスキルも身に付いています。
エントリー№5 ’20代表 RS5 DRIVER(10.5°/45.5”)
さあ当企画を締めくくるクラブは、2020年代の代表、RS5ドライバー(アールエス・ファイブ/2020年)です。
RSの名を受け継ぐ5代目のドライバーはその最終形態とも言うべくルール”ギリギリ”の最高初速性能と、シリーズ最大の”広初速エリア”を有するモデルです。PRGR全スタッフがナンバー1選出を願う、真打ちの登場です。
『フェースセンターに最大たわみ点、重心点、最高CT点を集めた4点集中設計が”快心の一撃”を生み出します。ここに当てれば絶対に飛びます。』
PRGRを代表する有能営業マンK君のセールストークに嘘はありません。
さあ、自らの手で”快心の一撃”を披露してもらいましょう!
(音声付動画でお届けします)
バッキィィン!
強烈な弾き音。これが、
261.6ヤード!最長不倒を0.6ヤード更新ー!!
『・・・もうひと声欲しかったね。』
『す、すいません。”快心の一撃”ポイントに当てることができませんでした!』
快心の一撃を生み出す”強芯”に当てることはできませんでしたが、それでも最長不倒を記録。RS5ドライバーのもうひとつの機能である、”広芯”設計がゴルファーに許容性と安心感を与えてくれます。その性能に偽りはありませんでした。
PRGR No1ドライバー決定!
さあ各世代を代表する5本のドライバーの試打が終了しました。では、REDEYES ROBOの比較画面で測定結果を確認してみましょう。
■全ショットデータ
■各モデル最大飛距離・弾道
これらのデータから、各項目毎に最も優れていたのは、
- 【初速性能】 nabla RS01
- 【打ち出し高さ】 RS5
- 【低スピン性能】 TR-X DUO
- 【飛距離性能】 RS5
- 【安定度】 TR-X DUO
という事がわかりました。弾道データはそんなところですがあくまで参考です。ではいよいよ個人的趣味と独断で、”PRGRドライバー・俺のナンバー1”を選んでもらいましょう。
『では、お願いします。』
『はい。では発表します。もう、これしかありません!トゥース!!』
ナンバーワンドライバーは、最新のRS5ドライバー!!
『これは、忖度無しということでいいですか?』
『はい。測定データは拮抗しましたが、やっぱり自分がコースで使うとなると、TR-X DUO以前のものはヘッドが小さすぎて不安でしかないです。残るnabla RS01とRS5だと、やっぱりnabla RS01はシビアすぎて僕には難しそうなので、高初速エリアが広くて一発の飛びにも期待できるRS5に打つ前から決めていました。』
『打つ前から決めるなよ!』
まあ、ドライバーは飛距離も大事、打ちやすさも大事ですが、やっぱり信頼のおけるモデルが一番ということですね。ということで、K君が決めるPRGR歴代No1ドライバーはRS5に決定しました。
※個人の感想です
4回に渡ってお届けしてきましたPRGR歴代クラブNo1決定戦。K君の選出に疑問の方。そもそも各年代の代表がおかしい。カテゴリーがもっとあるはず。などなどたくさんのご意見があるかと思いますが、PRGRの公式見解で無くあくまでも当ブログの企画ですのでご了承くださいませ。
皆様もクラブの進化を実感するために、今のエースクラブと昔使用していたクラブを打ち比べてみるのも面白いかもしれませんね。
実際35年前に横浜ゴムの様々な技術を投入して開発されたμ240ドライバーより、現代のRS5は50ヤード近く飛んでいました。長い時間をかけてゴルファーのために進化をしてきたPRGRクラブは、これからも進化を続けていきます。開発スタッフはそれはもう大変だと思うけど、いままで数々の壁を乗り越えてきたのできっと大丈夫。どうぞご期待ください。(この模様はギアスト!でお届けしていきます)
あとは、、、クラブの進化とともにゴルファーのスイングも変化しています。K君ももっと自分のスイングを進化して欲しいところです。
『うっ!そ、そうですね。ところで、ちょっと暖かくなってきたから、Nさんそろそろゴルフいきませんか?』
K君がどれだけ進化したのか、ちょっとゴルフ場で確かめてきます。この模様は追ってご紹介しますのでどうぞお楽しみに!
つづく
―新サイエンスフィット日記・登場人物紹介―
PRGRサイエンスフィット日記メンバー K
プロギアの営業マン。サイエンスフィット日記開始直後からの出演者であり当ブログの主人公。ゴルフ歴12年、ベストスコア81、平均スコア94。ドライバーには夢と浪漫と希望があり終わりの無い旅なので、毎年ドライバーを買い換えている。もちろん入社と同時にゴルフを始めたのでドライバーもPRGR以外使ったことが無い。
PRGRサイエンスフィット日記筆者 N
サイエンスフィット日記の運営がいつの間にか仕事の半分以上を占めるようになったなか、無謀にもギアスト!の連載を開始した限界突破に挑戦するプロギアの販促担当。ゴルフ歴20数年。平均スコア88。ドライバーは苦手なので基本的にコースでもほとんど使わない。
―合わせて読みたい―
PRGRのクラブの歴史、開発現場を紹介する新しいコンテンツ、PRGRクラブ開発物語・ギアスト!PRGR WEBにて大好評連載中
ギアストとのコラボ日記、面白い‼️
Kさんが選ぶドライバーNo1が最新モデルで安心しましたが、FWとユーティリティ、思わず○○オクで、過去のモデルを検索し、散財してしまうところでした😅
Nさんファンさん
コメントありがとうございます!企画終了し、K君には技術、コメント力ともにミスター・テストマンの称号はちょっと早かったと反省しております。いつの日か技術、コメント力をアップさせてミスター・テストマンが帰ってくる日を楽しみに待っていてください(^_^)
おりいってご相談があります。私はクラブに愛着を感じながらゴルフを続けている万年ダファーです。94年に御社が発売した黒チタンを打った時の感動が今でも忘れられません。その後、いくつものドライバーを打ってきましたが、アメリカ在住となっているため、御社のドライバーには手が届かずに今まできました。黒チタンは今でも手元にあるので時々引っ張り出しています。その後の大型化に順応した今となってはあまりに小さく感じられてしまいますが、黒チタンの透き通るような軽快でいて芯のある甘美な打感と打音に並ぶクラブには、いまだに巡り会えません。教えてください。あの黒チタンの打感と打音に近いドライバーはどれでしょう?
小松様
ご相談いただきありがとうございます。黒チタンを長くご愛用いただき感謝申し上げます。
黒チタンは弊社初のチタンヘッドドライバーでしてメタルヘッドに比べて大型化出来て設計自由度が高まりプロ、上級者に愛されたドライバーでした。。そして仰る通りチタン特有のやや高めの澄んだ打球音も新時代を感じさせるものでした。
ご相談の件ですが黒チタンと同じ打球音、打感が得られるドライバーは残念ながら現在はございません。理由のひとつとしてヘッドの大型化があり、黒チタン228ccに対して現在のドライバーのヘッド体積は460ccあり大きな空間を反響するため黒チタンの様な音質にはなりにくく、またフェースの肉厚が現在よりかなり厚いので打感も異なってきます(黒チタン発売後にフェースを薄くするとボール初速が上がることがわかりフェース肉薄化がトレンドとなりました)。また現在のドライバーの多くはチタンより軽量のカーボンをヘッドに使用するためフルチタンヘッドとは打球音が大きく異なります。
結果的に現在のPRGRドライバーで黒チタンに最も近いものはフルチタンヘッドのLSドライバーですが、やはり黒チタンの”チィィーン”という打球音とは異なり、”バキィィーン”というような音となります。飛距離や寛容性を伸ばすためにドライバーは30年近くかけて様々な進化が遂げられてきましたが、それに伴い打球音、打感といったものが大きく変化しております。最適な返答とならず心苦しいところですがご理解いただけますようお願い申し上げます。引き続きプロギアクラブをご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
丁寧なご返答をどうもありがとうございます。そうですか。進化は当然の成り行きですものね。ただ、そこには常に失われるものもある・・・、ということですかね。私はオールドスクールの下手くそゴルファーですが、もう飛ばなくなったので、楽しみはジャストミートだったり、打感、打音だったりします。しかし、テクノロジーがこの先も飽きることなく新しいものを実現してくれるのなら、初代黒チタンの打感、打音を再現してくれるかもしれないと期待します。それをやってくださるのは御社に間違いないでしょう。期待してまっせ!
弊社にご期待いただき感謝申し上げます。
歴史は繰り返すと言いますので可能性はゼロでは無いと思います。とにかく黒チタンの打感、打音は最高ですね!