Hole 170 日経カップ挑戦編・決着!おじさん代表選手選考会④

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勝負は決したかに見えましたが、偶然写った1枚の写真がS先輩の表情を捕らえていました。

それが、

この顔。

コースを凝視し、4打差からの逆転のシナリオを頭の中で高速シミュレーションしているようです。この男、まだ諦めていません。

 

ティーショットはそのS先輩から。

前半は左へのOBでした。

バチーン

ここはやや右ながら安全なエリアへ。

 

続くY山先輩。

勝利への一打は、

バコッ

あっと、左を警戒するあまり、右に打ちすぎました。

 

ちなみにS常務は、

 

ビキッ

中弾道のナイスショット!フェアウェイをキープです。

そしてS常務のセカンドショットは、

ガキッ!

左へのOBにより、打ち直し。

このホールは左サイドがOB、右サイドがワンペナと、ショットの正確性が問われるホールなのです。

 

Y山先輩はアイアンでまずはフェアウェイへ。

 

S先輩は、2打目地点で狙いどころをじっくりシミュレーションしています。

熟考の結果、選んだクラブはRSフェアウェイウッドの5番。

一番信頼が置けるクラブで果敢に攻めます。

ビシィッ!!

これはナイスショット。3打目でグリーンを狙えるエリアにボールを運びました。

 

残り100ヤード。グリーンに乗せてバーディーを獲りたいところ。

これはピン方向に飛んでいきました!

 

そしてY山先輩は4打目がグリーンを外れて、ココ。

なんと、バンカーの手前の芝が薄くて砂が混じる非常に難しい場所です。

プレッシャーのかかる場面でこのライはあまりにも酷ですが、日経カップ戦士たるものプレッシャーを跳ね除け戦わないといけません。

 

これが、

ダフってしまいバンカーへ!

 

最後の最後にY山先輩に訪れた試練。この距離の無いバンカーからは、

かろうじて出ただけ!

しかも、またもやバンカーの縁の難しいライに止まってしまいました。ピンチが続きます。

ここから何とかグリーンに乗せるも寄らず。

 

そしてS先輩の3打目は、グリーンにわずかに届かなかったもののライの良いエリアから。

何とかカップに寄せました。

 

さあ、最後にちょっとバタつきましたが、これがY山先輩のウイニングパットとなります。

2メートルのパットを、

外した!

 

その様子を見て、

慎重にボールをセットする男。

 

1メートルのパットを、、、

なかなか打ちません!

緊張しているんでしょうか、固まってます。

 

 

そして、

 

 

コロン。

入れたー!!

思わず天を仰ぐS先輩。それだけ重要なパットだったのでしょう。がんじがらめのプレッシャーをはねのけてパットを決めた男の顔。

 

それが、

この顔。

 

こうして最後の最後で波乱が起き、おじさん代表選手決定戦は終了。

 

勝った男

18ホールの戦いを終えた一同。最後の最後まで大叩きしてしまったS常務。

 

今回も最終ホールでトラブルに見舞われたY山先輩。

 

そして、

 

己を信じ、最後まで諦めずに戦ったS先輩。

 

全てを出し尽くして戦った男の顔。それが、

この顔である。

 

厳しい戦いではありましたが、お互いの健闘を称えあうおじさんたち。

さあ、18ホールの熱闘の結果がこちらです!

S常務 113

Y山先輩 86

S先輩 86

N 89

なんとY山先輩とS先輩が同スコア。最終ホールでS先輩が4打差を追いつきました!!

この場合、最初の取り決めによると、、、

マッチングスコアカード方式※で順位を決定します。

※マッチングスコアカード方式:18ホールを終えて同スコアの場合、最後の9ホールのスコアで順位を決定。それも同スコアの場合は最後の6ホール、最後の3ホール、最終ホールの順でスコアを決定する。

 

ということで、最後の9ホールのスコアはともに45で同スコア。

次に最後の6ホールのスコアはY山先輩31、S先輩30。。。

 

従いまして、

日経カップ、プロギアチーム最後の選手は、S先輩に決定!

なんという接戦、なんという劇的な幕切れ。

試合展開はどう考えてもY山先輩が優勢でした。もし勝負に判定があれば間違いなくY山先輩に軍配が上がったでしょう。が、この激闘を制したのは残り2ホールで5打差をつけられていたS先輩でした。

私NとS常務は早々に勝負を諦めましたが、最後まで諦めずに泥臭く戦ったS先輩。

 

その喜びに満ち溢れる顔がコチラーー!!

 

S先輩の奇跡の大逆転を称えるS常務。

そして、

最終ホールのアンラッキーにより、ほぼ手中に収めていた代表の座がするりと零れ落ちてしまったY山先輩。悔しいでしょう。S常務も同期として慰めます。

『よし、取りあえずひとっ風呂浴びに行こうぜ!』

ということでおじさんゴルフの恒例行事。

スーパー銭湯に行って、砂と埃と汗と涙とアブラを洗い流します。

 

策略した男

さっぱりしたところで、コロナ感染に十分注意しながら冷たいものでも飲んで、火照った体をクールダウンします。

※撮影時は緊急事態宣言の期間外でした

自分へのご褒美パフェにかぶりつくS先輩。

 

序盤の大叩きのショックが後を引きずるNと、最終ホールの大叩きが悔やんでも悔やみきれないY山先輩。

S先輩と対照的なテンションの低さです。

 

『しかし、Y山先輩が絶対勝つと思いましたけどねえ。』

 

『17番のアプローチが寄らんで、あそこからだな。でもティーショットは良い当たりだったのに、思ったのと逆方向に風で持ってかれたのが不思議だわ。』

たしかに。

Y山先輩はグリーンの左から右に風で戻ると思って打ったら、逆にボールが左に流されたのでした。

・・・ん、あれ?そういえば、、、

前半の同じホールでS先輩は、ティーとグリーンは逆の風が吹いてるって言ってたけど、本当にそうだったのかなあ。。。

 

『でも最終ホールのバンカーが痛かったですね。あのライは難しすぎます。アンラッキーでした。』

 

『バンカーから出して2打で決めりゃあ良かったのに、バンカーを深く打ち込みすぎて最悪のライに行ってまった。あのバンカーがもったいなかったなあ。何であんなに打ちこんだんやろ。』

最終ホールのグリーン横のバンカーにつかまって大叩きしてしまったY山先輩。バンカーの名手らしからぬミスでした。

・・・え?あっ!!

前半の同じホール、同じバンカーでS先輩が何気に呟いていたひとこと。これがY山先輩の脳裏にこびりついていたのかもしれません。

 

『あれ?ということは、まさか、そんなバカな、、、』

いくら策略家のS先輩といえども、後半の最後でY山先輩のミスを誘うために、前半わざと大きな声で誤った情報を言ったなんてことは無いと思います。それが出来たら本当に物凄い策略家です。勝つためにありとあらゆる準備をして、幾重もの策を講じるS先輩といえども、まさか、いやそんなバカな、、、(汗)

 

さて、帰りのバスの時間となり、ひと足お先に出発するY山先輩。

悔しさをお土産に名古屋に戻るY山先輩。来年こそ、その実力でおじさん代表選手としてまた筑波に戻ってきてもらいたいところです。ひとまずお疲れ様でした!

 

そしてS常務、S先輩も家路に向かいます。

『S先輩、お疲れ様でした。日経カップ頑張ってください。応援してます!』

 

『ありがとう。また苦しい戦いが始まるなあ、今日の不甲斐ないスコアはキャプテンのYにも怒られるだろうし、、、』

と、ふと悲しそうな顔をするS先輩。

過去に代表選手として戦ってきた経験があるからこそ、日経カップで戦う厳しさ、苦しさ、辛さを知るS先輩。泥臭く勝利への執念を身に纏い、会社からの期待、かつての仲間、そしてY山先輩の思いを背負って、再びその苦しい戦いに挑みます。

 

落ち込む男

最後に、S常務を自宅に送り届けて長い1日が終了しました。

『ふう、、、今日はありがと。しかし、ゴルフは難しいなあ。ちょっとは戦えるかと思ったけど、全然ダメだったな。流石にゴルフやる気も失せるわ。』

そう言って、

足取り重く自宅に消えていくS常務。

『めっちゃ、その気持ちわかります。』

勝った男と負けた男と、落ち込む男。ゴルフを終えた男たちの背中はなんだか一様に寂しそうです。

(本当に落ち込んでいたのでしょう、その後ゴルフスキスギーから新しいエモい曲が届くことはありませんでした)

 

とにもかくにも、ようやく今年の日経カップのプロギアチーム選手が決定。

例年には無かった30歳代が2人というフレッシュなチームに生まれ変わりました。

さあ、いよいよ夏本番。次回からは日経カップ選手についてご紹介していきます。お楽しみに!

つづく

 

―新サイエンスフィット日記・登場人物紹介―

PRGRサイエンスフィット日記ご意見番 S常務

何度も何度も熱意と闘志で頑張ってきたが、今回の大叩きは流石に堪えたらしく、ゴルフへの熱意が急激に萎んでしまったおじさん。これは時間が解決してくれると信じたい。

 

PRGR日経カップ候補 Y山先輩

最後の最後で代表の座を逃してしまったが、実際に筑波で戦おうとしたらドライバー飛距離が最低でもあと20ヤード必要ということを痛感したおじさん。

 

PRGR日経カップ候補 S先輩

苦しい苦しい日経戦士としての日々に終止符を打つべく、一度は引退を決意したはずが、いつの間にか今年もあの苦しい戦いに挑むドMおじさん。

 

PRGRサイエンスフィット日記筆者 N

S常務同様、アプローチが完全崩壊してしまってゴルフに対しての熱量が激減してしまいました。5月病ならぬ、7月病かもしれないおじさん。

 

―合わせて読みたい―

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コメント

  1. カズさん より:

    辛いのは自分だけじゃないって分かりました。自分も嘆いていないで前を向かねば。

    1. prgr より:

      カズさんさん
      コメントありがとうございます!ゴルフをしている人の99.9999%の人がゴルフの辛さを経験しているそうです。でも同じくらいの確率でゴルフの楽しさも経験しているようなので私も諦めずに頑張りたいと思います(^_^)

  2. かおりん より:

    S常務さんの落ち込み感が少し心配な感じです。でも挫けずに頑張ってください!K君も頑張ってるし!

    1. prgr より:

      かおりんさん
      コメントありがとうございます!ゴルファーの84%がゴルフの帰り道はテンションが低いらしいので、その一種だと思います。S常務には100切り目指してまだまだ頑張ってもらいます(^_^)

  3. けつかち より:

    Sパイセンの粘り勝ちでしたね。諦めない心、勉強になりました。
    Y山先輩の悔しさはしみじみ分かります。ゴルフは最後まで何が起きるか分かりませんね。
    Nさんもやはりシレっと惜しい所まで盛り返しましたね。さすがです。
    スキスギー・・・ドンマイっす!次ですよ、次!!
    皆さん大変お疲れ様でした!本戦までのドキュメント、楽しみにしています。

    1. prgr より:

      けつかちさん
      コメントありがとうございます!4人のおじさんのそれぞれの思いを胸に、新生PRGRチームが誕生しました。本戦に向けて努力する選手の模様を引き続きご紹介していきますので、どうぞお楽しみに(^_^)

  4. 常務より少し上手なゴルファー より:

    今回はYさんに加え、筑波に向いてるE君もいるし… やっぱり3人目がポイントになりそうですね 頑張れF君!頑張れS先輩! PRGRの復活を願ってます

    1. prgr より:

      常務より少し上手なゴルファーさん
      コメントありがとうございます!今年こそPRGRの負け続けてきた歴史に終止符を打ちたいと思います。3人目の男の活躍に期待です(^_^)

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