Hole 185　日経カップ決勝編・激烈のスタート！

ライバル選手との対峙。

ずささささっ！

帽子を取っていきなり猛ダッシュするＥ君。

『お、おはおはおは、おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。』

草食モードに戻ったＥ君が挨拶したのは、

最強女子ゴルファーＯさんです。

先日Ｓ先輩とも練習ラウンドをご一緒いただいた、日経カップの常連選手であり最強女子選手です。

『プロギアチームと一緒の組って凄い偶然ですね。がんばりましょう。あはは。』

なんとプロギアチームとＯさんのチームは偶然同じ組にペアリングされていて、Ｅ君とＯさんは同組だったのです。なんという運命のいたずら。

『た、大変ごぶさたしております。』

元プロギア社員のＯさんですが、Ｅ君がプロギアに入社した時にＯさんはすでに退職していました。が、Ｅ君が学生時代に就職セミナーに参加した際に先輩社員として仕事の説明をしたのがＯさんだったらしく、一緒に仕事をしたことは無いものの、Ｅ君の記憶には深く刻まれていたのでした。なんという運命のいたずら。

すると遠くのほうから、

『お、おはようございます！』

引き攣った笑顔の男が。

『あーＦ君、久しぶり！代表選手になるなんて凄いね。今日は頑張ろうね！』

久しぶりに会う後輩に優しく語り掛けるＯさん。

そして、

愛想笑いを振りまきながら、ジリジリと後退していくＦ君。

『お、同じ組じゃなくて良かったです、、、同じ組だったら、１２０くらい打ってると思います。。。』

引き攣りながら語るＯさんの２年後輩のＦ君。新入社員当時、Ｆ君の教育係だったのが元体育会系ゴルフ部主将のＯさんです。Ｆ君のこのリアクションを見ると、もしかしたらその指導はＳ先輩も泣いて逃げ出すくらいのものだったのかもしれません。

他社チームとの挨拶を終え、パッティング練習をする選手達。

予選の時に比べて、さらにグリーンが仕上がっています。とにかく速い！

ボールを転がしていると、徐々に緊張感が高まってきます。

真剣な表情で、

その時を待つ、

４人の選手。

その模様を、

一眼レフカメラと、スマホ２台を駆使して、ひとりで撮影するコボちゃんカットのカメラマン。

『めちゃくちゃ大変だぞこれ！』

Ｓ常務の欠席により、ひとりカメラマンにも試練となる１日。選手同様、私も限界突破したいと思います。

プロギアチームの決意

おや、クラブハウス前に人が集まっています。どうやらテレビ放送用の撮影をチーム毎に行っているようです。

予選の時はご指名でロングインタビューしていただいたのですが、さすがに決勝大会ともなると全くお呼びはかからず、その他大勢として流れ作業のように処理されます。

順番が来たので社名が書かれた紙を持って、パシャリ。

続いて、意気込みをテレビカメラに向かって。

『がんばるぞ、おー。』

まったく爪痕を残すことなく撮影終了。来年は優勝候補として、ロングインタビューを受けることを目標に頑張ります！

さあ、いよいよスタート時間が近づいて来ました。

緊張の面持ちでスタートホールへ、

『めっちゃリラックスしてるなあ！』

怪物の勇気。

ひとりカメラマンなので、朝イチは若手のＥ君、Ｆ君がスタートするインコース１０番ホールに向かいたいと思います。

１０番ホールは５４４ヤードのロングホール。

ティーショットは右ドッグレッグでセカンド地点からは左ドッグレッグという複雑なホール。フェアウェイ右サイドにある大きな木がプレッシャーで、左に曲げてしまったり右の木に当ててしまう人が続出します。

お、Ｅ君とＯさんがスタンバイしています。

気合の入った表情のＥ君。

ルール説明を受け、オナーとしてスタートします。

個人優勝を狙うＥ君。

スタートからリミッターを外し、飛ばしていきます。

ヴァキーーン！！

もの凄い弾道は大きく右へ！！

が、これは狙い通り。

Ｅ君のパワーだと正面に打つとフェアウェイを突き抜けて奥のバンカーに入ってしまうので、あえて右を狙う勇気あるショットだったのです。

そしてひとつ前のティーでプレーするＯさんは、

流石、見事なショット！

昨年までは女子選手もチャンピオンティーでラウンドしていましたが、今年から女子選手はティーが前になりました。チャンピオンティーでも８０前後でラウンドしていたＯさんが前から打つとどうなるのか？プロギアチームにとって恐ろしい存在です。

スタートしていくふたりの若手選手。

Ｅ君は右の林に向かっていきますが、きっと林を抜けベストポジションから２オンを狙えるはずです。

その様子をじっとみつめるＦ君。

さあ、次はお前の出番だ！

賢者の惨劇

いつも笑顔のＦ君も、さすがに引き締まった表情でティーアップ。

予選では奇跡のスコアを出したＦ君。奇跡が２回続いたら、それはもう奇跡ではなく実力です。

いざ！

バチーーーン！！

『うっ！やばいぞ。』

Ｅ君のボールよりさらに右へ消えていきました。林の中にはＯＢがあります。

悔しそうな表情をするＦ君。暫定球を打ちます。

バチーーーン！！

これも右！

皆で心配そうにボールを追いますが、何とか林の中にありそうです。

急いで林にボールを探しに行くＦ君。

何とか一球目が見つかって欲しい。頑張れＦ君！

安定のおじさんとおじさんの安否。

かたや、アウトコース１番ホールのＹキャプテンの模様をＳ先輩が送ってくれました。

朝イチはいつも通り軽やかにナイスショット！

ちなみにカメラマンがいないため、残念ながら肝心のＳ先輩のスタートの様子はわかりません。

冒険、ピンチ、確実。そして安否不明という四者四様のプロギアチームの朝イチティーショット。

次回、いつもよりちょっとだけコースの奥に潜入し、日経カップ前半の戦いをお届けいたします。お楽しみに！

つづく

―登場人物紹介―

プロギア日経カップ代表選手　Ｙキャプテン

ベストスコア６８、平均スコア７２。競技ゴルフが生活の一部になっている競技ゴルファー。競技中はスマホの電源を切ってます。担当得意先の皆さま申し訳ございませんが予めご了承くださいませ。

プロギア日経カップ代表選手　Ｓ先輩

ベストスコア７６、平均スコア８８。いつのまにかサイエンスフィット日記・日経カップ編の主人公に。ただし、当ブログで主人公になると毎回ロクな結果にならないのが気になるところ。

プロギア日経カップ代表選手　Ｆ君

ベストスコア７６、平均スコア８７。予選時にはチーム３番目のスコア８３で見事予選突破に貢献。果たして今回は？？

プロギア日経カップ代表選手　Ｅ君

ベストスコア６５、平均スコア７４。団体戦優勝は無理なので、密かに個人優勝を狙う肉食系ゴルファー。ただし強い女子にはめっぽう弱い。

ＰＲＧＲサイエンスフィット日記筆者　Ｎ

アウトイン同時スタートでひとりカメラマンとして誰をどこで取材するか。戦況を予想し撮影ポイントに向けて先回りするツアーカメラマンの心境です。

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