おじさんの意地、プロギアチームの逆襲
選手がランチ休憩をしている間にスコアを集計したところ、プロギアチームの前半のチームスコア(上位3人)は127。予選の時の前半のスコアより実に11打も悪くなっています。
他社チームの状況も調査すると他社も苦戦しているもののそこまで悪くは無く、来年の決勝シードが得られる10位以内を目指すには、やはりトータル240ストローク前後が必要なようです。
プロギアチームがこのスコアを目指すとなると後半はチームスコア113で回らなきゃいけません。ひとり平均37.7ストローク、これはかなり難しい状況です。
ちなみに前半が終わって優勝戦線にいるチームは、テレビ局に取材されていました。
その模様を睨みつけるE君。
『悔しいです。今年やっと選手になれて個人優勝するのを目標にやってきたのに、不甲斐ないスコアでチームにも貢献できなくて。。。』
『そうだな、俺たちがもっと頑張らないとな。後半は俺とEが最低限パープレーの36で回ればまだチャンスはあるよ。あとは、アイツ次第だな。』
エース2人が密かに決意を固め、それぞれのティーイングエリアに向かいます。
そして、
『げひひひ、そんで最終ホールはめちゃくちゃ難しいバンカーから見事な砂イチでさあ~』
いつも以上におしゃべりなS先輩と、いつも以上に無口なF君。
前半F君に1打勝ったS先輩のマウントポジションをすり抜け、F君も後半のスタートに向かいます。
さあ2021年の日経カップ、最後の9ホールの戦いが始まります。
Hole №10 544yard Par5
ひとりカメラマン、後半はおじさんふたりに密着したいと思います。
まずはYキャプテン。
パキィーン!
ここも安定のショットでボールはベストポジションへ。
Yキャプテンの決意のラウンドがスタートしました。
その後ろで、
臨時コーチに教わったモモ裏ストレッチを入念におこなうS先輩。
さらに、
京村店長からあれほど、”インパクト前のスイングのことは考えるな。”と言われていたのに、入念にインパクト前のスイングを気にするS先輩。肝心なことを忘れちゃってます。
さあ、そろそろS先輩の後半のスタートですが、
クルッ
『・・・(ニコッ)。』
スッ
無言で振り返り、こちらに微笑みかけてからティーアップするS先輩!
『何だ!?』
ゾンビ映画でゾンビ軍団にひとりで突撃する主人公の友人。地球に向かってくる隕石に爆弾とともにたったひとりで向かっていく宇宙飛行士レベルの死亡フラグが立ちました。おそらく、チームのシード権獲得のためには自分がキーマンだということを理解しているのでしょう。
そんなS先輩のショットは、
バキーーン!
引っかけて左の林方面へ!ただし右の林という最悪の場所を避けた見事なリスク回避ショットです。
振り返らず、前へ進むS先輩。
それは死を覚悟した、戦いに赴く男の背中です。
『頑張ってー!生きて、生きて帰ってきてください!!』
次回、サイエンスフィット日記・日経カップ決勝編が遂に決着。お楽しみに!
つづく
―登場人物紹介―
プロギア日経カップ代表選手 Yキャプテン
ベストスコア68、平均スコア72。ゴルフと犬をこよなく愛する温和な人格者。ゴルフと同期のS先輩に関してはとことんストイックに結果を求めるタイプ。
プロギア日経カップ代表選手 S選手
ベストスコア76、平均スコア88。選手としてのプレッシャーはあるけど、またF君が活躍してくれることを願う他力本願型ゴルファー。いくら準備や練習を重ねてもこの世で一番自分の実力を信用できない。
プロギア日経カップ代表選手 F君
ベストスコア76、平均スコア87。前回の予選で自分の仕事は果たしたので、もう決勝は気楽にラウンドしようと思っているエンジョイゴルファー。
プロギア日経カップ代表選手 E君
ベストスコア65、平均スコア74。虎視眈々と日経カップでの個人優勝を狙う肉食系ゴルファー。普段は草食ボタニカルDIY男子。
PRGRサイエンスフィット日記筆者 N
今年も日経カップはギャラリーの入場不可なので、補欠選手という立場で会場入りし徹底取材させていただきます。
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ドキドキしながら読みました。次が待ち遠しいです。
カズさんさん
コメントありがとうございます!次回決着!次々回結果発表です!!どうぞお付き合いくださいませ(^_^)
アグレッシブコボちゃん、予選よりも奥へ奥へ。
臨場感がナイスなカメラワークです!
S先輩、後半旅立ち前の笑顔は「奇跡の1枚」ですね。
次回も楽しみ~。がんばれ~~!!
けつかちさん
コメントありがとうございます!決勝大会はもっと奥まで攻められることを当日知り、ひとりカメラマンの限界を感じたコボちゃんです。でも奇跡というか偶然の1枚が撮れて大満足です(^_^)